門前仲町「太鼓鳥」で味わう、焼き鳥と親子丼の黄金リレー

飲食店訪問レポート

門前仲町駅を出て、少し歩いた路地にひっそりと灯る提灯。
その明かりに引き寄せられるように入ったのが、焼き鳥屋「太鼓鳥」です。
カウンター中心のこぢんまりした店内は、炭火の香りがふわりと漂い、思わず「いい店に来たな」と感じさせる空気。常連らしきお客さんが静かに一杯やっていて、落ち着いた雰囲気でした。


炭の香りがごちそう、丁寧に焼かれた串

最初に頼んだのは焼き鳥の盛り合わせ。
焼き台の前で、店主が一串ずつじっくり焼き上げる姿が印象的でした。
まず出てきたのはねぎま。表面にほんのり焼き目がつき、タレの照りが美しい。口に入れると、炭の香りが広がり、鶏の脂の甘みとタレのコクがちょうどいいバランスです。
レバーはふんわりと火が入り、とろけるような口当たり。臭みはまったくなく、鮮度の良さが伝わってきました。
つくねは弾力がありながらも柔らかく、鶏の旨味が凝縮されています。ひと口ごとに、炭火と鶏の香りが重なっていく感じが心地よい。


丼で締める、専門店の親子丼

焼き鳥を味わったあとに頼んだのが親子丼。
丼のふたを開けた瞬間、ふわっと立ち上る出汁と卵の香りが食欲を刺激します。
卵はとろとろの半熟で、スプーンを入れると黄身がご飯に絡みつく。鶏肉は焼き鳥とはまた違う部位を使っているようで、しっかりした歯ごたえとジューシーさがありました。
出汁の風味がきいていて、優しいのに物足りなさがない。タレの甘辛さが卵と重なり、最後の一口まで飽きずに食べ進めてしまいました。


「焼き」と「丼」で感じる、鶏の奥深さ

太鼓鳥の魅力は、焼き鳥と親子丼を続けて食べることで「鶏の異なる表情」を感じられることだと思います。
焼きでは香ばしさと脂の旨味、丼では出汁と卵によるまろやかさ。
どちらも丁寧な火入れと味付けがあってこそ成り立つ味で、鶏という素材の奥深さを改めて感じました。


おわりに

門前仲町の「太鼓鳥」は、派手さはなくても、炭火と出汁の香りで勝負する誠実なお店。
ひとりで静かに過ごしたい夜にも、鶏好きとして勉強したいときにもぴったりです。
焼き鳥から親子丼への流れが自然で、「鶏を食べ尽くした」という満足感を得られる一軒でした。

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